建物の名称
住宅にはそれぞれの部位に名称があります。塗装をする時に業者が使うこともあるので、ある程度、わかっていると話が進めやすいです。
破風・破風板
破風と言うのは、屋根を見た外観で「厚み」のように見える部分を言います。実際には屋根の厚みではなく、建物の中に雨が吹き込まないように守っている部分です。そして、破風に使っている板を破風板と言います。破風板は目につくところですので比較的良質の材質が使用されます。
鼻隠し
鼻隠しは、破風と同じく屋根の厚みに見える部分です。雨樋が付いている部分を鼻隠しと呼び、雨樋のない部分を破風と言います。
軒天・軒天井
軒天・軒天井は、外から屋根の下をのぞき込んで見える部分の事を言います。外壁からはみ出ている屋根の部分ですが、1階であれば軒裏、2階以上は軒天と使い分ける地方もあります。
雨樋
雨樋は屋根の水を通す配管のようなもので外壁を汚さないように付けられています。軒樋・竪樋・箱樋と言った種類があります。高さがあって掃除をする機会があまりないので屋根の塗装で掃除も依頼する方が多いです。
雨戸
風雨・寒気などを防ぐために窓の外側に取り付ける戸のことを言います。
戸袋
戸袋は、雨戸が収納される部分を言います。開けた戸が、部屋の外側からも内側からも見えないのが本来の戸袋ですが、簡易的にしているものは内側から戸が見えるようになっています。
霧避け・庇
庇は外壁から出ている小さな屋根のことを言います。また窓の様な開口部に付いている庇は、霧避け、霧避け庇と言われますね。ビルなどの商業施設には設置されないものですが、最近の新築住宅では霧避けや庇の内タイプも増えてきています。庇がないと雨が降っている時に窓を開けると室内に入ることがありますね。
矢切り
矢切りは外壁と屋根の間にある三角のスペースで、ここは外壁と別の色や素材にしている家屋が多いですね。切り妻屋根では、この矢切の部分に換気口をつけて屋根裏に湿気がこもらないようにしています。
棟木
棟木は、屋根の骨組みで一番上にある部材のことを言います。下に母屋、軒桁があり、それらの上に垂木を垂直にして屋根の形が作られています。
見切り縁・回り縁
見切り縁は、仕上げ材料とか仕上げ方法が違う仕上げ面がある時、境目に入れる細い棒の様な部材を言います。これだけではイメージしにくいので実際の使い方として、階段の吹き抜け部分では1階と2階の壁の境目に見切り縁が入っています。また天井と壁の境目にも入っていますが、この場合は回り縁と名称が変わります。狭い家屋でも淡い壁で膨張して見える空間を引き締めるのに使用することがありますね。
水切り
水切りは屋根の流れ尻とか外壁の一番下の部分、そしてサイディングら張り始めで使うものです。L字の金物になっていて雨が壁を汚したり、中に入ってしまうことを予防します。この設置では板金工事が必要なので、塗装業者とは別業者が出入りすることもありますよ。雨の当たる場所では端の部分に水切りが必要なので省略することができません。
母屋
母屋は屋根の部材なら、屋根の一番高い場所の棟木と垂木の間にあって重さを支える部分を言います。また、「おもや」と読む場合は、別棟の屋敷がある中で中心として使用する建物のことを言います。「おもや」以外の屋敷は、離れとか納屋と言って区別します。